2023年7月11日
魚沼市観光協会では、ガイドを手配できるプログラムやツアーをいくつかご用意しております。
その中の一つ、石川雲蝶ガイドについて今回はご紹介します。
石川雲蝶作品で有名な永林寺・西福寺・龍谷寺・穴地十二大明神 では、個人・団体問わず、ガイドを手配することができます。
今回は、魚沼市観光協会のスタッフ3人(以下A、B、C)が実際に雲蝶ガイドと共に、永林寺・西福寺を巡ってきました。
スタッフの感想を交えながら、ご紹介していきます。
今回は、永林寺からスタートしました。
※館内撮影禁止。写真は、別日に許可を得て撮影したものです。
創建は室町時代後期とされ、林泉庵第四世竹岩全虎大和尚によって開山したと伝えられています。江戸時代は徳川家康の孫、松平忠直公、その子、松平光長公(越後高田藩主)の香華所として本堂建築を認可された事から、10万石の格式を賜り2人の位牌を始め松平家から奉納された様々な寺宝を所有。三葉葵の紋章を許された由緒深い曹洞宗の名刹です。
永林寺といえば、「天女」の彫刻が有名ですが、それ以外にも見ごたえのある石川雲蝶作品が楽しめます。
永林寺のなかで、唯一物語がある作品「小夜之中山蛇身鳥物語」
石川雲蝶は、永林寺では自由に自分の作りたい作品を作ったといわれています。そのため、作品にストーリーがないものが多いです。
その中で唯一物語があるといわれているのが、欄間に施された「小夜之中山蛇身鳥物語」。
この作品はこの欄間だけで完結するのではなく、物語の結末が永林寺のどこかにあるのです。ぜひガイドと一緒に巡って確かめてほしいです。
※館内撮影禁止。写真は、別日に許可を得て撮影したものです。
A:この作品、とても印象に残りました!「天女」や「龍」といった作品を見てきてからの「小夜之中山蛇身鳥物語」は、登場人物が人間なので意外性がありました。同時に、少し身近にも感じた作品でした。
B:険しい顔の表情や、飼い犬が心配そうに見つめているところなどもチェックしてほしいです。
C:そして、なんと言ってもこの物語の結末には注目してほしいですね!少しヒントを言うと、結末は少し離れたところにあるんですよね。ガイドさんがいなかったら分からなかったと思います。ガイドさんの説明を聞きながら一つの物語として作品を楽しんでもらいたいです。
ガイドなしだと見落とすかも?!彫刻だけじゃない細かな石川雲蝶作品の数々
本尊の正面にある香炉台や、欄間、置物まで、細かな石川雲蝶作品もたくさんあります。
彫刻だけではなく、絵や仏像作品もあります。さすが江戸幕府に勤めていただけある技術の持ち主。細かな石川雲蝶作品もじっくり見てください。
※館内撮影禁止。写真は、別日に許可を得て撮影したものです。
A:欄間に彫られた浅い彫刻は芸術的でしたね。迫力のある作品が多いので、こんな落ち着いた雰囲気の作品も作れるのかと、改めて技術の素晴らしさに感動しました!
B:香炉台の彫刻もスゴかったですよね。作品としてはあまり大きくはないですが、だからこそどうやって彫ったんだろうと考えさせられます。ガイドさんがライトを照らして説明してくれるのも分かりやすかったです。
C:わたしは、「牛」と「蛙」の作品が気に入りました。これは触れることができる雲蝶作品なんですよね!「牛」[もう](泣き声)→「蛙」[かえる]の順に触ったので、儲かって帰れる気がします!
永林寺といえば!とんちのきいたユーモアな作品が面白い
永林寺のなかには、先代のご住職がつくった作品も所々にあります。お寺の外にも作品がいくつかあります。
こちらの写真もそのひとつ。「永林寺」をアルファベットと車輪の絵で表現しています。
A:先代のご住職さんもユニークだったんですね。ガイドさんと一緒に来なければ、雲蝶作品に集中しすぎて見落としていたかもしれません。
C:寺社仏閣は少しお堅いイメージですが、いろいろな謎解きがあって、見学していて楽しかったです。魚へんの漢字を使って書かれた作品の解読が面白かったです。
B:個人的には、合格祈願にまつわる「合格への通り道」をくぐれたのが良かったです!合格したい資格などがある際にはまた訪れたいです。雲蝶作品以外にも見どころがあるのはうれしいですね。永林寺の新たな楽しみ方を発見した気がします!
※館内撮影禁止。写真は、別日に許可を得て撮影したものです。
くわしくはこちら▶永林寺
続いて、西福寺へ。
西福寺といえば、開山堂内の天井三間四方全面に施された大彫刻「道元禅師猛虎調伏の図」の印象が大きいのではないでしょうか。
※写真は、別日に許可を得て撮影したものです。普段は館内撮影禁止ですが、2023年6月1日(木)~9月30日(土)の間撮影可能。
まずは、西福寺と開山堂の歴史や成り立ちをお伝えします。
<曹洞宗>赤城山西福寺は、1534年(室町時代後期)、
開山 芳室祖春(ほうしつそしゅん)大和尚によって開かれました。
ご本尊様は阿弥陀如来三尊で、鎌倉時代の作だそうです。
本来、曹洞宗では釈迦如来をご本尊としてお奉りします。
しかし、当寺は初め天台宗の寺であったようです。
その後、本尊阿弥陀如来をそのまま受け継いで曹洞宗に改宗し、現在に至ります。
開山堂は、当山23世蟠谷大龍(ばんおくだいりゅう)大和尚により建立され、
嘉永5年(1852)起工、安政4年(1857)に完成しました。
それでは、境内をご案内。
最初の山門(赤門)です。
『禁葷酒(きんくんしゅ)』と刻まれた石碑があります。禅宗の山門に立ち戒めを説くもので、葷とはにんにく・にら類のことをいいます。葷や酒を食した直後に山門に入ることを禁ずるという意味で、山内の清浄を汚してはならないという戒めの言葉です。
そして、西福寺・開山堂併せて3カ所にある「仁王像」のうちの一対が赤門の両脇を固めています。この赤門は白門(1858年)より以前の建立ですが、時代は不明です(雲蝶の作品ではありません)。
次の山門(白門)を抜けると、左手に見えるのが開山堂です。
開山堂を覆う大きな屋根は、平成11年に雪から守るために作られたそうです。それ以前は、集落の若者が命綱をつけて屋根に上がり、除雪をしていました。
開山堂の建築の様式は、鎌倉時代禅宗仏殿構造。屋根は茅葺き二重層で、
上層部入母屋造り、総欅五間四方、唐破風向拝を有しています。
ガイドさんに説明していただくことで、作品の細部まで鑑賞することができました。
唐破風向拝にある彫刻も雲蝶の作品です。
A:長い年月が経っているにも関わらず、傷みや破損がほとんど無いことに驚きです!
B:裏側はなかなか見ないですよね、ガイドさんが居てこそですね。
C:一部をご紹介しましたが、ガイドさんのお話を聞きながら見つけてみてください♪
続いて、堂内へ
※写真は、別日に許可を得て撮影したものです。普段は館内撮影禁止ですが、2023年6月1日(木)~9月30日(土)の間撮影可能。
雲蝶と言えば「彫刻」ですが、「絵師」としても優秀でした。
本堂にある襖絵「孔雀遊戯之図」。極楽浄土を描いたとされる大作です。
C:孔雀の絵は永林寺でもいくつか見ましたね。
B:毒を食べても死なない、むしろ一層綺麗になるってすごい!本堂では他にも雲蝶作品を楽しむことができます。
いよいよ開山堂へ
昭和48年3月に新潟県指定文化財に登録された、天井三間四方全面に施された大彫刻、「道元禅師猛虎調伏の図」。
ここでは、体験メンバー3人ともまずは言葉を失いました。
鮮やかな色彩と、圧倒的な迫力は実際にその場に身を置いて初めて感じるものでした。
A:奥行きがすごいですね!
B:ストーリーが一枚に収められているなんて驚きました。
C:天井以外にも彫刻がたくさんありますね。
こちらも、ガイドさんが一つ一つ丁寧に説明してくれました。
作品に込められた思いやストーリーなど、とても興味深いお話が聞けました。
くわしくはこちら▶西福寺開山堂
まとめ:石川雲蝶作品は、ガイドと一緒にじっくり巡ろう!
ガイドと行く雲蝶・二寺を巡るコースを体験しました。
今回初めてガイドさんと回らせていただき、どちらのお寺も約一時間の滞在でしたが、ガイドさんのお話を聞きながら拝観させていただくとあっという間に時間が過ぎてしましました。
初めて訪れるかたはもちろん、行ったことがあるかたも、また違った雲蝶の魅力を発見できると思います!
今回は二つのお寺をガイドをつけて巡りましたが、片方のお寺のみでも対応可能です。
団体はもちろん、少人数やおひとりさまでも対応できますのでお気軽にお申し込みください。
ガイドのお申し込みについて詳細はこちら▶石川雲蝶ガイドのお申込み